伝習会 第76回
伝習会
〈 第七十六回 〉
【修身 斉家 治国 平天下】……大学
(読み…身を修め、家を斉え、国を治め、天下を平らかにする)
(訳…自らを磨いて人格を高め、そうして円満な家庭を築けば、国も良く治まり、
そして、世界も平和になる)
原文【物格って后に知致る。知致って后に意誠なり。意誠にして后に心正し。心正しくして后に身修まる。身修まって后に家斉う。家斉って后に国治まる。国治まって后に天下平らかなり】格物(万物を貫く法則を知ること)、到知(知識や学問を深め得ること)、誠意(誠実で偽りのない心)、正心(心のありようを正す)、修身(自分を磨くこと)、斉家(自分の家を治める)、治国(自分の国を立派に治める)、平天下(そうして始めて天下が平和に治まる)を『大学の八条目』という。
~ これは、政治の根本的な目標であると言っております。先ず、政治家自ら自分を磨き、人格の向上を図り、心身共に健康でなければならない。そして、家族が互いに尊敬し合い、協力して、円満な家庭を築いてこそ、国の政治を上手く治めることができる。
そうして始めて国民が安心して暮らせることになり、究極的には世界が平和になる。
【格物、誠意、正心、修身、斉家】なくして【治国、平天下】は有り得ないと、言っております。 また、孟子も……
【人に恒の言有り、みな天下国家をいう】(世間の人は、何かと言えば天下国家を口にする)
【天下の本は国に在り】(しかし、天下の根本は国であり)
【国の本は家に在り】(また、国の根本は家で在って)
【家の本は身に在り】(そして、家の根本は我が身個人にあるのだ)と言っております。
世界が平和になり、各々の国が豊かで安心して暮らせる為には、まず自分の家庭を円満に治める事が肝心である。そして、家庭が円満になる根本は、己自身を磨き人格向上にある。
自分の家庭も治められないような人間が、どうして国を治められるか。全ての根本は己自身の向上【修身】にある、と言っております。これは、なにも政治家ばかりではありません。会社経営にしてもリーダーは心して行かなければならないことであると思います。~