伝習会 第99回 (H27.9.20)
伝習会
〈 第九十九回 〉
【比翼連理】…白居易の「長恨歌」
(訳…男女の仲が良いこと、仲睦まじい夫婦のたとえ)
~ 白居易が、唐の玄宗皇帝と楊貴妃とのラブロマンスを謡った120行の長編詩、「長恨歌」(唐の玄宗皇帝と楊貴妃の悲恋の物語をうたった作品です)の最後の一部を見てみましょう。
【天に在りては願わくは比翼の鳥と作り】(天上では比翼の鳥となり)
【地に在りては願わくは連理の枝と為らん】(地上では連理の木になろう)
【天長く地久しきも時有りて尽くるも】(天地は永遠であるといっても、いつかは亡びる時がくるかも知れないが)
【此の恨みは緜緜として絶ゆる期無からん】(しかし、この玄宗と楊貴妃との相思う
ことと、別離の悲しい思いだけは、いつまでも続いて、絶え果てる時が無いであろう)
【比翼】とは、翼と目を一つずつ持った雄と雌が合体した一羽の鳥のことです。常に一体となって飛ぶという伝説上の雌雄の鳥のことです。【連理】は、根元は別々の二本の木で幹や枝が途中でくっついて、一つに合体したものです。【比翼連理】は「比翼の鳥」と「連理の枝」の略で、男女の情愛が深く睦まじいことの例えであり、仲のいい夫婦のことを表しております。
唐王朝六代目の玄宗皇帝は、前半生は、【開眼の治】の政治を執り名君
と称えられたが、後半生は楊貴妃に溺れ、軍人の安禄山に【安史の乱】を起こされ、暗君という汚名を着せられました。後世の戒めとして知られていることは、御承知の通りです。
夫婦は【比翼連理】といきたいものですね。 ~