伝習会 第101回
伝習会
〈 第百一回 〉
【 立てば芍薬・座れば牡丹・歩く姿は百合の花 】
(訳…この言葉は、美人の【姿】を形容するフレーズとして、江戸時代から伝わっているものです。【スラリと細く伸びた茎に、大きく麗しく咲いたシャクヤクの花を、美しい女性の立ち姿に】。【横に広がった枝に咲くボタンの花を、優雅に座る女性の姿に】。そして、【風になびきながらも凛として咲くユリの花を、美しく歩く女性の姿に】。それぞれ表現したものでしょう。シャクヤクは立った状態で、ボタンは座った状態で、そして、ユリは歩きながら鑑賞するのが、一番良いと言うことでしょうか。)
~ 美人を形容する言葉を調べてみました。
1.【傾城傾国】(国を衰亡させ、企業を衰退させるほどの美人.第八十八回参照)
2.【明眸皓歯】(玄宗と楊貴妃のありし日を回想した杜甫の詩.澄んだ瞳と白い歯)
3.【解語の花】(唐の太宗が楊貴妃を表現した言葉.蓮の花の美しさも、人間の言葉を理解する花(美人)・楊貴妃に、どうして及ぼうか)
4.【海棠の睡り未だ足らず】(これも、太宗が楊貴妃の、二日酔いのしどけない楊貴妃を見て、海棠の花はまだ眠り足りないようだと言って、かばった言葉。)
5.【沈魚落雁】(荘子の原文の言葉は.毛牆と麗姫は、人間が見て美しいと思うのだが、魚は其れを見て水底深く潜るし、鳥はそれを見て高く飛び上がる。鹿はそれを見て素早く走りさる。となっています。しかし、この故事は雁が見とれて落ちるとなっています。)
6.【閉月羞花】(月も花も美しいものの代表だが、美人を見ると、月も雲に隠れ、花も恥じらい、しぼんでしまう)
7.【柳眉】(柳のように細く美しい眉を表し、美人の眉の形容としている)
女性は羨ましいですね。男性は“一つ以って之を貫く”(間違いないで下さい、これは論語の言葉です)男らしさです。まだまだ、この他に、美人を形容する言葉は沢山あると思いますが、あとは皆さんにお任せいたします。美人は冷たいとか、佳人薄命(現在にはふさわしくない言葉になりました)ともいいますが【心の美人】が一番ではないでしょうか。~