伝習会 第114回
伝習会
〈 第百十四回 〉
【己を枉ぐる者は、未だ能く人を直くする者はあらざるなり】
(訳…自分の道を曲げ、不正をしている人が、他人の不正を真っ直ぐに正す事が出来る
などとは、まだ聞いたことがない)……孟子
~ この故事の趣旨は、ある臣下が、媚諂う取り巻きの御機嫌とりにうつ
つを抜かしていた君主を諌めた言葉です。
このような、耳に痛い直言を諫言する部下も素晴らしいし、それを素直
に聞き入れる君主もまた偉いと思います。上に立つ人は、常に部下の範となるように心しなければなりません。
孔子も次のように言っております。
【其の身正しければ、令せずとも行わる。其の身正しからざれば、令す
と雖も従わず】論語白路第十三(為政者自身が正しければ、命令を下さずとも、
万事が遂行される。為政者自身が不正をしていたら、命令を下しても、服従されな
い。)
【格好を付けたがる人】には、誰も信用しなくなるでしょう。
如何に自らを【律する事】そして、【言行一致】が、為政者リーダーの要諦であり、かつ人間としてへの忠告ではないでしょうか。~