伝習会 第119回
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伝習会
〈 第百十九回 〉
【深沈厚重なるは、これ第一等の資質なり】…呻吟語
(訳…どっしりとして重みがあり落ち着いて動じない人物が、第一等である)
~ 「呻吟語」は、明代(1536年)に生まれた、呂新吾という人が著した本
です。「呻吟」とは、病気で苦しんだ時、絞り出るうめき声のことです。
名医のことを、「左伝」では【三たび肘を折って良医となる】とありま
すが、呂新吾は、九回も肘を折って艱難辛苦を味わったそうです。そのよ
うに苦しんで呻吟して纏めた本ですから、其の中身は真実味に溢れており
ます。その中で彼は、人物のランクを、次のように三つに分けて語ってい
ます。
【深沈厚重なるは、これ第一等の資質】(上記の訳を参照して下さい)
【磊落豪雄なるは、これ第二等の資質】(性格が明るく、積極的で、前向きで、
しかも物事にこだわらず大きな器量がある人間が、第二等である)
【聡明才弁なるは、これ第三等の資質】(頭が切れて、弁が立つ人間は、第三
等である。)
普通【聡明才弁】(頭が良くて才能に溢れ、さらに雄弁)であれば、それは第一級の人物と言われるのではないでしょうか。
しかし、呂新吾は、【聡明才弁】の人は、ややもすると【才】に走り、弁舌で媚を売り、人間的に軽さを印象づける嫌いがある。
よって、どっしりとして重みがあり、落ち着いていて動じない、いわゆる【徳将】が【才将】を上回る人間を、第一級の人物としています。
私は、せめて第二等の人物くらいにはなりたいものと思っています。
さて、皆さんご自身は何等級とお思いでしょうか。~