伝習会 第127回
伝習会
〈 第百二十七回 〉
【老いては子に従え】……「儀礼」喪服伝
(訳…歳をとったら、何事につけても意地をはらず、子供にまかせて、それに従って
ゆくのがよい)
~ この言葉も昔からよく使われて来ましたが、最近はあまり耳にしなくな
りました。普通【老い】には、男と女の区別などしませんが、もとの意味
では、女性について言われた言葉なのです。原文は次のようになっていま
す。【婦人に三従の義あり、専用の道無し。故に未だ嫁さざれば父に従い、
既に嫁すれば夫に従い、夫死すれば子に従う】これがこの語の語源で
す。いわゆる、女性には自由に振舞う行動や道はなく、三つの従う義務
がある。嫁にいくまでは父に従い、嫁すれば夫に従い、夫が死んだら子供
に従え。とひどい差別扱いされたものですね。ここから、【婦人三従】と
いう語も生まれました。日本で女性に参政権が認められたのは1945年
です。今では、【「親が娘にあごで使われ」、「嫁はベッドから“行ってらっ
しゃい”帰ってみれば“もう寝てる”」、「夫が死ねば、さあ、こんどは私の
人生とばかりに、内心喜ぶ嫁。」】なんという世の中の変わりようでしょう。今日では、完全に【男性三従】と逆転してしまいました。
世の男性諸君!!【老いては当に益々壮んなるべし】と行きましょう。
[原文は…【丈夫、志をなすや、窮してまさに益々堅かるべく、老いて当に益々壮
んなるべし】(男は志を立てた以上、貧しければ貧しいほど志を固め、年おいたら、益々
意気盛んでなければならぬ)後漢の光武帝に仕えた名将、馬援の言葉]~