伝習会 第147回
伝習会
〈 第百四十七回 〉
【大器は晩成す】…老子
(訳…大きな器は完成するのに時間がかかる。それと同じように、大きな器量を持っ
た人物も大成するのに時間がかかるのだという。よく、不遇な人物を慰める時
などに使われている。)
~ 【大器晩成】の四字熟語として知られています。
この出典は老子ですが、その原義は、
【大方は隅なし】(とてつもなく大きい四角は角が見えない)
【大器は晩成す】(とてつもなく大きい器は完全な器としては見えない)
【大音は希声なり】(とてつもなく大きい音は何を言っているのか聞こえない)
【大象は無形なり】(とてつもなく大きい形は、なにがなんだかよく判別できない。
例えば、象のお尻の一部分を見て、象だと見分けられないのと同じ)
ということですが、老子は古人の言葉を引用して言った言葉です。
確かに、東京ドームが四つも五つも入るような四角い器があっても、角が
見えないのは当然です。また、とてつもなく大きな器は、一朝一夕に出来
るものでは無く、“継続は力なり”で、不断の努力が必要だと言っており
ます。
日の目を見ない人が、よく俺は【大器晩成】だと豪語しますが、努力
もせず、ただ声高に唱えていても大成しないことは当然です。しかし、何
事も挫けず最後まで諦めないで努力する事が大切です。~