伝習会 第150回
伝習会
〈 第百五十回 〉
【天の将に大任を是の人に降さんとす】…孟子
(訳…天が重大な任務をある人に与えようとする時に励ます言葉)
~ 孟子は、天が、この人に将来責任ある大役を与えようとした時は、それ
までに色々な艱難辛苦を与えて、その責に耐えられるような人物にする。
その為には次のような体験が必要だと説いています。
【天の将に大任を是の人に降さんとするや】(天がこの人に大なる任務を与え
ようとする時は)
【必ず先ず其の心志を苦しめ】(必ず先ずその人の心や志・心身を苦しめ)
【其の筋骨を労せしめ】(その筋骨がボロボロになるまで苦労させ)
【其の体膚を餓えしめ、其の身を空乏にし】(その一身を窮乏にし、生活を困窮させ)
【行なうところ其の為さんとする所に払乱せしむ】(やることなす事全くカラ 回りするような大苦境に陥れるものだ)
【心を動かし、性を忍び、其の能くせざるを曾益せしむる所以なり】
(それは天がその人の心を鍛え、忍耐力を増大させ、大任を負わせるに足る人物に育て上げようとしている何よりの証拠なのだ)
この言葉は、【孟子】全編の中でも極めて格調高い論文と言われています。
また、逆境にある人を励ます言葉としても使われています。
“試練は乗り越えられる者にしか訪れない”なんか勇気が湧いてきませんか。
山本五十六の「男の修行」も合わせてお読み下さい。
【苦しいこともあるだろう。云い度こともあるだろう。不満なこともあるだろう。腹の立つこともあるだろう。泣きたいこともあるだろう。これらをじっとこらえてゆくのが、男の修行である】
【艱難汝を玉にす】(困難や苦労を重ねる事によって、人は成長し大成する)
【願わくば、我に七難八苦を与えたまえ】(山中鹿之助の言葉。宿願を果たす為
には自分を鍛えなければならない、其の為には苦難が必要)
【苦は楽の種、楽は苦の種と知るべし】(水戸黄門の言葉)~