伝習会 第179回
伝習会
〈 第百七十九回 〉
【君子の交わりは淡きこと水の如し】…荘子(書名)・人名は荘子
(訳…君子(徳のある立派な人)の交際は、水のようにサラサラと淡々としている)
~ ここから【淡交】という言葉が生まれました。荘子(人名)は続けて、
【小人の交わりは甘きこと醴の如し】と言っています。
【醴】は甘酒。小人(徳のない人)の交わりは、君子と反対に甘酒のように
ベタベタしているので、壊れるのも早いのだと言う。どうすれば人間関係
を長続きさせることが出来るのか。荘子は【間の取り方】だと言っている
ように思われます。ベタベタし過ぎると、うっとうしくなって飽きが来ま
す。時には、アラが見えたりして喧嘩別れということにもなります。そう
かといって、離れ過ぎると疎遠になってしまいがちです。
やはり【即かず離れず】(【不即不離】)がいいようですね。共に読書し、
共に政治を語り、共に理想を語り、共に酒を酌み交わし、共に行動する、友のない人生などありえません。与謝野鉄幹の【人を恋ふる歌】……
【妻を娶らば才長けて みめ麗しく情けあり】
【友を選ばば書を読みて 六分の侠気四分の熱】、(【侠気】とは、弱気を助け
強気をくじく義侠心。困っている人を見たら助けてやる男気。しかしそれも6分まで)
やはり、妻を娶らば、才長けて、みめ麗しいに越した事はありませんが、何はともあれ情け
でしょう。また、このような友であれば、【淡きこと水の如し】に間違いありません。菜根譚
には【友と交わるには須らく三分の侠気を帯ぶべし】とあって、【三分の侠気】に抑えている
のが微妙です。~