伝習会 第180回
伝習会
〈 第百八十回 〉
【一陽来復】…易経
(訳…易で、陰暦の十月に【陰の気】が極まり、十一月の冬至になって【陽の気】が初めて生ずる意から、冬が去って春が来ること。悪い事が長く続いた後で漸く良い方向へ向かうこと。冬至の別名)
~【易】の象形は、『トカゲ』の形を現しています。『トカゲ』は光線の具合
で色が変化して見えるところから、【易】は【変化する】という意味を持
っています。【易経】では、全ての現象において【陽の気】(良い運気)が
多くなったり少なくなったり、逆にみれば【陰の気】(良くない運気)が少
なくなったり多くなったりを繰返しているとされています。
【復】は【冬至】のことです。今まで【陰の気】(良くない気)で覆われて
いましたが、この【冬至】を境に、漸く一筋の【陽の気】(良い気)、いわ
ゆる【一陽】が現れた訳です。【冬至】とは、季節の終わりを示す日であ
り、また新しい季節の始まりでもあるのです。この日を境にして【陽の気】
(良い気)の方に向かっていくことになります。現状の日本経済、いや世
界の経済状況は、今、百年に一度あるかないかという大不況が到来してい
ます。まさに今日の日本経済は、この【冬至】を境に春に向かうとはいえ、
現実は【冬至、冬中、冬初め】で厳しい厳冬に向かっている感が致します。
どうやら【極まれば則ち変ず】(第七十四回参照)で、行き着く所まで行か
なければ、反転出来ない状況ではないでしょうか。 道はただ一つ、【自らを頼め】で、耐え、勝ち残っていく以外ないでしょう。~