伝習会 第186回
伝習会
〈 第百八十六回 〉
【備えあれば患いなし】…書経
(訳… 知らない人はいない位有名な言葉です。いざと言う時に備えて十分な準備を
していれば、いつどんな事が起ってもあわてる必要はないのだという)
~ 殷の傳説という重臣が、皇帝の【高宗】を【事事すなわちそれ備えあら
しめ、備えあれば患いなし】と戒めて語った言葉が出典です。
何事をするにも、事前の【準備】が如何に重要であるか、これは言うま
でもありません。また、人生【順風満帆】ということは在りえないので
すが、ともすると、この順調な時に次の【準備】が忘れがちになったり、
また、事前の【準備】を怠り、痛い目に遭うことがままあります。
人間の歴史は、【順風】と【逆境】の繰返しの連続だと思います。
先人は準備を怠るという過ちを繰り返してきたことにより、このような言
葉が生まれたと思います。さて皆さん、「【人生とは何ぞや】と問われたら、
なんと答えられますか。」
【十人十色】と申しますから、色々でしょうが、私は表記の言葉のように
【人生とは、準備なり】と思っております。これは、私が還暦も半ばを過
ぎ、如何に【準備】を怠ってきたか、自らを反省して痛切に思っているからです。晩年の幸せこそ、人生の幸せではないでしょうか。
私も人のことを言えた義理ではありませんが、今、職を失った人達は大変だと思
います。しかし、このような事態を招いたのは、さもさも会社が悪い、政府が悪いと
言っていますが、一寸甘えているのではないでしょうか。大勢の人は、死に物狂いで
働いています。
自分の生活を守る為には【自らを頼む】自立、自助でやっていく以外な
いと確信しています。~