伝習会 第6回
伝習会
〈 第 六 回 〉
【 乾坤一擲 】……史記
(訳…乾は天、坤は地でサイコロを投げて天(一)が出るか地(六)が出るか賭けること。運命・命を懸けて、のるかそるかの勝負をすること)
~ この四字熟語の出典は、第五回の【四面楚歌】と関連します。
それは、次の【鴻溝を過ぐ】韓愈の詩が出典です。
☆ …【竜疲れ、虎苦しみて川原を割く】
(訳…4年に及ぶ楚漢の戦いで竜・劉邦(漢)は疲れ、虎・項羽(楚)も苦しみ、戦いも限界に至り、その結果、鴻溝という川を境に、東西を二分して、東を楚、西を漢と取り決め、終戦とした。)
☆ …【億万の蒼生、性命存す】
(訳…其の為に、億万の民の生命は保たれるはずであった。)
☆ …【誰か君主に勧めて馬首を回さしむ】
(訳…ところが、劉邦の軍師・張良と陳平は、劉邦の馬首を返して、項羽
を追撃することを勧めた。)
☆ …【真成に一擲、乾坤を賭す】
(訳…そこで、劉邦は【乾坤一擲】の勝負を挑みました。)
ここから、最後の決着が付く【垓下の戦い】へと進み、【四面楚歌】
が生まれるという場面に移って行きます。乾坤は天と地のこと、一擲は一度に全てを投げ
打つこと。
この【乾坤一擲】の張良の策がなかったら、【劉邦】の漢帝国(B.C202年)の誕生はなかったことでしょう。~