伝習会 第17回
伝習会
〈 第 十 七 回 〉
【 一 燈 照 隅、 万 燈 照 国】
(訳…一人の明かりが一隅を照らし続ける。それが一人増え、二人増えて万燈
になって、国全体を明るく照らす)
~ 魏の国の王は、「我が国には、直径一寸の玉が十枚あって、車の前後をてらす。これが我が国の宝だ」と言いました。それに対して斉王は、「私の国には、そんな宝はない。だが、それぞれの一隅をしっかり守っている人材がいる。それぞれが自分の守る一隅を照らせば、車の前後どころか、千里をも照らす。これこそ我が国の宝だ」と。 安岡正篤氏はこの話に深く感銘し、【一燈照隅】を己の行として、この一事を呼び掛け続けたそうです。自分の足元に落ちているゴミ一つ拾えない人に、何が出来ましょうか。とイエローハットの鍵山秀三郎氏が【微差、僅差の積み重ねが大差となる】と、平凡なことを非凡に積み重ね続ける大切さを言っております。
一人ひとりの灯は小さいけれど、それを燃やし続ければ、一人増え二人
増え、やがては万燈になり、国中を照らすようになる。一つのことを何十
年も続けていけば、必ずものになるものだと言っています。
まさに、【一燈照隅 万燈照国】ですね。
天台宗の開祖・最澄も『一隅を照らす、これ即ち国宝なり』(世の一隅を
明るくする人こそ、国の宝である)と言っています。~