伝習会 第20回
伝習会
〈 第二十回 〉
【 疾風に勁草を知る 】……後漢書
(訳…疾風は強い風、勁草は強い草。強風で弱い草は倒れるが、本当に強い草は
立っている。転じて、困難、苦難に会った時にこそ、人の真価が現れる)
~ 穏やかで風もなく、天気が良い時には、野原の草は全て真っ直ぐ
に伸びている。だがひとたび強い風が吹くと、弱い草は倒れ、強い草
だけが倒れないで、真っ直ぐに立って残っている。
人間もそれと同じ事で、逆境に陥った時に、始めてその人の真価が
発揮されるといわれます。
これは、王莽が前漢(B.C202年~B.C33年)を倒して『新』・
(9年~23年)王朝を建国しました。その王莽を打倒する為に立ち上がっ
た、【劉秀】(光武帝)と共に戦った臣下の【王覇】を称えたことから
出た言葉です。それは、【光武帝】の軍の雲行きが少し怪しくなって来
た時、配下が次々と陣を立ち去りましたが【王覇】だけは頑として踏み
止まり、漢王朝(後漢王朝)(25年~220年)再建に貢献しました。 【王覇】は、男の中の男、まさに【勁草】の人と言えるでしょう。
【勁草】となった男、【願わくは我に七難八苦を与えたまえ】と誓って国難に挑戦した山中鹿之助。また、安岡正篤氏は【苦しんで開拓した者でなければ本物ではない。人並みの努力をしたのでは秀れた者にはなれない】といい、【伏すこと久しきは飛ぶ事必ず高し】(菜根譚)
強靭なる人格形成は、自ら艱難辛苦に果敢に挑戦していく人間にしか天は与えでくれないという教示ではないでしょか~