伝習会 第24回
伝習会
〈 第二十四回 〉
【 一目の羅は以って鳥を得べからず】…淮南子
(訳…鳥が網にかかっているのは網の一目ですが、網全体がなければ鳥を捕らえる
ことが出来ない)
~ この言葉は、何事においても人の和、協力が大切である、という戒めで
す。確かに、網にかかった鳥を見ると、網の一目にかかっています。
では、一目があれば、飛んでいる鳥を捕まえることが出来るかと言えば、
それは不可能です。一つひとつの目が互いに結びあって大きな網となって、
始めて網としての役目が果たされるわけです。
企業も同じです。一人でやれる事には限界があります。社員が一致団結
してこそ、企業としての体をなします。
企業は組織で動き、組織は人で動くと言いますが、まさに至言であります。
また、【孤掌鳴り難し】…(伊達政宗) と言う言葉もあります。
拍手を打つにも、片手では鳴りません。必ず、もう片方の手が必要です。
【一手独り拍たば、疾しと言えども声なし】…韓非子
(片手だけで、どんなに早く拍手をしても音は出ません。組織も同じく、トップ
だけでは会社は機能しないことは当然です)
【それ大事を済すには、必ず人を以って本となす】…三国志(第百八十一回)
(大きな仕事を成し遂げるには、何事も人間の手助けがなければ出来ない)
【大廈の材は一丘の木に非ず】…王褒の四子溝徳論
(大きな建物に使う材木は、一つの山林の木だけでは足りず、他の山林の木も必
要とする。大事業を成功させる為も同じく大勢の人の力が必要です)
【徳をたのむ者は栄え、力をたのむ者は滅ぶ】…商鞅
(やはり同じ意味で自分本位の空回りを戒めた言葉です。リーダーは組織の力を一つに結束させ、最大限の力を発揮出来る様に心掛けることが大切でありましょう)
【天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず】…孟子
(成功するには時や地の利を得ることより人の和を得ることが大切である)~