伝習会 第198回 (H31.2.20)
伝習会
〈 第百九十八回 〉
【天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず】
孟子
(訳…孟子は、事業を成功させる為に、三つの重要な条件が満たされなければならな
いといっています。そこに、またあえて優先順位を付けています。
先ず【天の時】、しかし、天から与えられたチャンスよりは、【地の利】が、【地の利】よりは【人の和】の方が重要だという)
~ 厳しい現実を生き残るためには、【天の時】のチャンスをどう生かすか
が、第一の鍵です。【地の利】は立地条件です。これも無視できません。
【天の時】【地の利】も重要な条件だが、【人の和】、組織の結束力の方が
重要だと孟子はいっています。
【人の和】について、孔子は次のように注意を促しています。
“君子は【和して同ぜず】、小人は【同じて和せず】”、君子は人と接す
るのに、和らぎ親しむけれども、主体性を持って、付和雷同はしない。
小人は逆で、媚びて同調するけれども、私利私欲を求めているだけなので、
和らぎ親しむことはない。所謂、和は和でも【仲良しこよし】の和や【金
太郎飴】の和ではだめだ。個性の無い、ただべったりとくっ付き合ってい
るような和では、厳しい時代を生き抜くには難しいという。
また、中庸という古典にも次のような同じ言葉があります。
【和して流せず】、周りの人々と協調はするけれども流されないという意
味です。つまり、社員の一人ひとりが、自分の判断をしっかり持って、個
性に富んだ上に成り立つ“和”であってこそ、ほんものの“和”と言える
のではないでしょうか。
組織の中にこういう“和”を作り出すためには、リーダーは、なにより
も部下の信頼を勝ち得なければならないと思います。
そのためには、少なくとも、
1.
明確な目標を提示する。
2.
率先垂範でことに当たる。
3.
言行一致、行動、実行が大事。
4.
部下の意見に耳を傾ける。
5.
礼を以って誠心誠意接する。
6.
思いやりをもつ。
この位のことは実行しなければならないでしょう。~