伝習会 第44回
伝習会
〈 第四十四回 〉
【人生白駒の隙を過ぎるが如し】……漢書
(訳…白い馬が、格子戸の狭い隙間の向こう側をサット通り過ぎて、何が通ったのか一瞬の事で、良く分からなかった。それ位、人生もあっと言う間に通り過ぎてしまう。時の早い例えの意)
~ この言葉は、【荘子】にある、次の言葉が出典です。
【人、天地の間に生くるは、白駒の郤を過ぐるが若く、忽然たるのみ】
(人がこの世に命を与えられているのは、白馬が格子戸の隙間をサット走り抜ける
ような一瞬でしかない)
また【菜根譚】には、短い人生を如何に有意義に過ごすか、その大切さ
を次のようにいっています。
【天地に万古あるも、この身は再び得られず。人生は只百年、この日は最も過ぎ易し。幸いにその間に生まるる者は、有生の楽しみを知らざるべからず。また、虚生の憂いを懐からずべからず】
(訳…天地は永遠であるが、人生は二度とない。人の寿命はせいぜい百年、アットいう間に過ぎて
しまう。幸いこの世に生まれたからには、楽しく生きたいと願うばかりでなく、人生を無駄
に過ごす事の恐ろしさも知らなければならない)
楽しくそして有意義な人生を送りなさいと言う事でしょう。天は、私達に只人生を楽しむ為にこの世に遣わしたのでしょうか。本当の楽しみとは、色々悩み、苦しみ、そして努力して、その結果目指した目標が実を結んだ時の、あの感動ではないでしょうか。
一生に一度の人生大いに楽しみしかも有意義にそして悔いのない人生を送りたいものです。
(1)【少年老い易く、学成り難し】(若いと思っていてもすぐ歳を取ってしまうが学問は中々成就しない)(朱子の偶成)
(2)【人生朝露の如し】(人の一生は朝日が射せばすぐ消えてしまう露のようにはかない)(漢書)
(3)【浮生は夢の如し】(人生は夢のように短くはかないものである)(李白)~