伝習会 第46回
伝習会
〈 第四十六回 〉
{【少にして学べば、則ち壮にして為す有り。】
(訳…少年時代に学んでおけば、壮年になってから役に立つし、何か出来る事が
必ずあるものだ。)
【壮にして学べば、則ち老いて衰えず。】
(訳…壮年になっても学び続ければ、老年になっても気力の衰えることはない。)
【老いて学べば、則ち死して朽ちず。】}…言志晩録(60条)
(訳…老年なっても学んでいれば、知識も、人間的にも円熟するので、社会の
役に立つ事もできるから、死んでもその名が朽ちることはない。)
~ さて、【言志四録】は江戸末期の大儒学者・佐藤一斎の代表的著作です。
【言志四録】は、【言志録】、【言志後録】、【言志晩録】、【言志耄録】から
なる語録で、【菜根譚】とならぶ人生訓の名著と言われております。
私は、この【言志四録】の根幹は、佐藤一斎が如何に学ぶことの大切か
を強調した、まさに、この条にあると思っております。とくに、【壮にして学べば…】が大切です。心に沁み、共感を呼ぶ言葉ではないでしょうか。孔子も論語の中で『学ぶことの大切さ』を次のように強調しております。
1.【学びて時にこれを習う。また、説ばしからずや。】学而第一
(これは、論語の最初の一章です。一生懸命学んで、そうか、こういうことだったのか。と分かった時の、あの喜びは、苦しんで、悩んで、学び続けた人でなければ分からない、喜びではないでしょうか)第七十一回参照
2.【学びて思わざれば則ち罔し。思いて学ばざれば則ち殆し】
(ただ本ばかり読み学ぶだけで、考え、思い詰めなければ、身に付かないし、真に生きた学問にはならない。混乱を来たすばかりだ。また、考え、思ってばかりで、学び読書をしなければ、原理が分からず、独断に陥り、危なっかしくて危険だ。井の中の蛙)為政第二
3.【学べば則ち固ならず】(学べば、頑固にならない)学而第一~