伝習会 第67回
伝習会
〈 第六十七回 〉
【安くして危うきを忘れず】……易経
(訳…『君子・リーダー』は安泰の時でも、常に何時やって来るかわからない危機を
忘れてはいけない)
~ これは、易経にある言葉で、『安泰を過信していると、危機に陥る。
順境に慢心していると、滅亡を招く。治安の夢にふけっていると、争乱が
起こる』と、故に
【安くして危うきを忘れず】に続いて
【存して亡ぶるを忘れず】(順境にあっても滅亡を忘れない)
【治まりて乱るるを忘れず】(うまく治まっていても混乱を忘れない)とあります。
所謂、個人しかり、企業しかり、いわんや国家に至るまで一寸先は闇で
す。ぬるま湯につかり、淫蕩三昧、現状に満足していると、突然の危機に
対応出来ません。常に最悪の状態を想定して準備していれば、小は吾が
身を、大は家・企業・国家を保つ事が出来る、と警告をしております。
私達も、心してゆかなければならないことではないでしょうか。
危機に備える類似言葉を次ぎに上げておきましょう。
【安きに居りて危うきを思う】(平穏で安泰の時こそ一層気を引き締め、いずれ
やって来るかもしれない危機にそなえよ)…佐伝
【遠き慮り無ければ、必ず近き憂い有り】(遠く先々まで、思慮をめぐら
しておかなければ、必ず身近なところに心配事が起って来るものだ)
…論語衛霊公第十五~