伝習会 第39回(改訂版)
伝習会
< 第三十九回 > (改訂版)
【上善水の如し】……老子
(上善とは、最上の善であり、最も理想的な生き方のことです。つまり、水のような生きかたこそ、理想の生き方であるという意味です)
~ 老子の第八章に【上善水の如し。水は善く万物を利して而も争わず。衆人の悪む所に処る。故に道に近し。……】(水のような生き方こそ最上の善である。水はあらゆるものに恵みを与えながら、争うことがなく、誰もが嫌う低い処へ自然に流れて、そこに収まる。だから人の道にかなっている)とあります。
確かに、水は大地を潤して草木を養い、喉の渇きも癒してくれます。そのように私達に様々な恩恵を与えてくれる水ですが、それでいて我を張らず、他と争うことがなく、人の嫌がることも謙虚に行います。それこそ理想の生き方だというのです。
真に優れたリーダーは自分の能力や地位を誇らず、決して偉ぶるところがないということです。私もこれまで出会った尊敬すべき人達はみな、自らを水の如く低きに位置づけ、魅力的な人望を持ち、恩に対する感謝の気持ちを強く持っていました。水には学ぶに足る三つの特徴があります。
✰一つは、【水は方円の器に随う】という如く、四角なら四角、三角なら三角とどんな器なりにも形を変えて少しも逆らわない。柔軟性がある。
✰二つ目は、水は誰も嫌がる低い処、低い処へと身を置き、すこぶる謙虚である。
✰三つ目は、ものすごいイネルギーを秘めている。急ともなれば硬い岩おも打ち砕いてしまう。
✲…新潟県南魚沼郡湯沢町に白瀧酒造に【上善如水】の日本酒がります。~