伝習会 第84回
伝習会
〈 第八十四回 〉
【修己治人】(訓読は、己を修め人を治める)…中国古典が教える人間学の根本
(訳…「己を修め」とは、能力と人格の両面にわたって自分を磨くこと。そうあって
こそ初めて「人を治める」資格が得られるという)
~ 第五十一回の【政を問う】で、孔子は、人の上に立とうとする政治
家やリーダーは先ず自分を磨け、と説きました。
論語の中に、次のような孔子と白路との問答があります。
白路「君子とはいかなる人物を言うのですか」と問う。
孔子「自分を修養して、怠らず、慎み深いものにすることだ」と答える。
白路「ただ、それだけですか」と問う。
孔子「自分を修養して、人を安心させることだ」と答える。
白路「(まだ納得せず)ただそれだけですか」と問う。
孔子「自分を修養して、天下万民を安心させることだ。自分を修養して、万民を安心
させることは、理想の天使と言われる堯や舜のような聖人でも、難事として
苦労されたのだ」と強調し諭しました。
ここで、孔子の言わんとすることは、人を治める為には先ず、【自分を
修養して】、自らを磨き、向上しなさいという、根本となる言葉が常にあることです。ここが肝心なところでしょう。リーダーたる者は、如何に
「自分の修養」を心掛けることが、大切かを教えております。
中国古典が共通して取り上げているテーマは三つです。表記の他に……
1.【経世済民】「世を経め民を済う」(国や企業をまとめ、人民や社員の
生活を守ると言う事です)
2.【応対辞令】(人間関係にどう対処すればよいか。対処の仕方).~