伝習会 第98回 (H27.9.10)
伝習会
〈 第九十八回 〉
【君子は義に喩り 小人は利に喩る】……論語(里仁第四)
(訳…君子は、自分の行動が、義(正しい事)にかなっているかどうか、正しいかどうかが、第一であり、小人の考えることは、先ず損得である)
~ 孔子は、自分が何か行動を起こす時に、その行動が常に正しいかどう
かを第一に考えています。それは、現代に置き換えてみて、自分の言動が自らの人格や信頼そして会社が、社会から信用を失うことにならないか、という事です。
論語述而第七には、また……
【不義にして富み且つ貴きは、我に於いて浮雲の如し】と、【不義】とは不正のことです。不正な方法で得たお金や地位は、大空に浮かんで出たかと思えばすぐ散ってしまう浮雲のように、はかないものであり、また当てにもならず、私(孔子)には何等関係のないものです。やはり、正しい方法で成し遂げることが、何より肝心なことだと言っています。
松下幸之助さんも、利益とは正しいことをやって始めてもたらされるも
ので、【利の元は義】だと。【利】は正しい方法で得たものでなければなら
ない。やっていることが、社会に役立っているか、お客様に喜ばれている
仕事かであって、数字に追い詰められてやるものではない。
目標の達成は、どんな戦略、戦術を練るか、どういう工夫をするか、知
恵を出して努力をした結果が、「数字」として出てくるものである、と。
商売の原理原則は、正しい方法でやる【義】、約束を守る【信】、相手の
立場になって考える【仁】、の三原則で貫いている、と言っています。~