伝習会 第132回
伝習会
〈 第百三十二回 〉
【吉人の辞は寡し】……易経
(訳…徳のある立派な人は口数が少なく、寡黙である)
~ これは、易経の次の言葉にあります。
【吉人の辞は寡し、躁人の辞は多し】と。【吉人】(立派な人)は口数
が少ないが、 【躁人】(せっかちで落ち着きの無い人)は口数が多い、と
いう意味です。
最近の日本人は、公共の場所と我が家の茶の間との区別がつかないほど
よくしゃべりまくっていますが、「慎み」、「他人に対する配慮」、「恥じらい」
は、死語になりました。昔から『しゃべる男は半人前』と言ったそうです
が、まあ、ベラベラしゃべる奴にロクな奴がいないということでしょうか。
最近のテレビは、本当にクダラナイ番組が多く、どうしてこんなに堕落し
てしまったのか、腹立たしく思えてなりません。司会者にしろ、キャスタ
ーにしろ、何様の気になっているのか、ただ、毒を振り巻いて、まさに、
【百害あって一利なし】で、将来の日本を患えざるをえません。
先日のある新聞に、外国人が日本のテレビを見て、なんと低俗でクダラ
ナイのだろうと酷評しておりましたが、日本の誇り、【恥の文化】を取り
戻して欲しいと願っています。
【君子は言に訥にして行いに敏ならんことを欲す】…論語
(立派な人物は、言葉はとつとつとして少ないが、成すべき事は確実に行なう)~