伝習会 第140回
伝習会
< 第百四十回 >
【在素知贅】(素に在りて贅を知る)…元総理大平正芳氏の発言集より
(訳…生活は質素にしながらも、知識を求める探究心は旺盛にし、贅沢な心を失わないこと。シンプル・ライフ・アンド・ハイ・シンキング=暮らしは質素に思想は高く)
~ 日常は髪を振り乱し、ドロンコになって仕事をしているけれども、月に一回位は歌舞伎を見に行くとか、また既製品の安いスーツを着ているけど、靴だけ贅沢をしたいとか、ネクタイだけはブランドものを身に付けたいという気持ちを持つ事が【素に在りて贅を知る】ということではないでしょうか。日本人にはそれが出来る風土があるように思います。
【個人は質素に社会は豊かに】を信条とした、元経団連会長の土光敏光氏の夕食のおかずは、メザシに味噌汁、そして、ひとかけらの漬物だったと聞いております。東芝や石川島播磨重工の社長でありながら質素な生活スタイルを変えようとしなかった。そのくせ、仕事はバリバリこなす、まさに現代のサムライだったと思います。しかし、現代はどうでしょう。
物質的に豊かになり過ぎて、礼節の乱れ、忠恕の乱れ、言葉の乱れ、行動の乱れ、生活や食生活の乱れなど周りを見渡せば乱れっぱなしです。メデイアにも責任があります。テレビをつければアホな番組ばかり。アホ人間の製造機かと思う。【辛抱】とは、辛いことを抱えると書きます。
辛いことを抱えていると辛抱ならぬ【心棒】が出来る~