伝習会 第146回
伝習会
〈 第百四十六回 〉
【寛にして畏れられ、厳にして愛せらる】・・・宋名臣言行録
(訳…寛容な姿勢で臨みながらも部下から畏れられる。きびしい姿勢で臨みながら
部下から愛される。)
~ 寛容の精神で畏れられ、厳しくして愛される、とは、一寸反対ではな
いか、と思いますが、これが、組織をまとめていくリーダーのコツ、理想
だと言っております。世の中には、寛容なリーダーもいれば、厳しいリー
ダーもおります。寛容なリーダーは部下から愛され、厳しいリーダーは部
下から畏れられるのが一般的です。ただし、寛容で愛されるリーダーは、
どうしても組織管理に甘さが出てきます。部下に緊張感がなくなって、慣
れ合いになる傾向があります。
逆に、厳しくて畏れられるリーダーは、命令には従わせることは出来て
も、心服されない傾向があります。そこで、望まれるのが【寛】と【厳】
のバランスをとることが、大事だといっております。
同じ「宋名臣言行録」に
【国を治むるの道は寛猛中を得るに在り】とあり、【国】を治めるにして
も、やはり、どちらにも偏らない事、【中庸】が大事だと言っておりま
す。ただ大事な事は、付和雷同・人に迎合するだけではなく、自分が正しいと信じる考え信念が大切であることは申すまでもありません。。
現代のリーダーは、【寛】に偏っているタイプが多いように思いますが、
【寛】に【厳】を加味することで、良きリーダーとなれるのではないでし
ょうか。~