伝習会 第165回
伝習会
< 第百六十五回 >
【人物登用のポイント】
~ 元(1271~1368年)の曾先之によって書かれた「十八史略」という歴史書があります。これは三皇五帝の伝説時代から南宋(1278年)までの十八の正史を要約したもので、現代では経営者やビジネスマン向けの啓発や人生哲学書として読まれています。
その中に李克という人物の逸話が出てきます。李克は魏の王・武侯の参謀として活躍されました。ある時、武侯が国の宰相にはどんな人物を選ぶべきかを李克に相談しました。以下に李克が答えた五つの観点が、人物登用の為の最高の教典となりました。
1.【居ては其の親しむ所を視】…普段、誰と親しくしているかを見る。
2.【富みては其の与うる所を視】…財産が出来た時はどういう人に与えているかを見る。
3.【達しては其の挙ぐる所を視】…出世して地位が上がった時はどういう人物
を抜擢登用するかを見る。
4.【窮しては其の為さざる所を視】…窮地に立った時何をしないで耐えていたか。不正を行わなかったかを見る。
5.【貧にしては其の取らざる所を視る】…富んだ時もそうですが、貧乏した時、貪りとらなっかたかを見る。
“随処に主となる”どんな場であれ、自分に与えられた所で自分の全てを発揮していくという意味ですが、大切な事はこの精神ではないでしょうか。~