伝習会 第176回
伝習会
〈 第百七十六回 〉
【明鏡止水】…荘子
(訳…一点の曇りもない鏡と止まって静かにたたえている水。転じて、心にわだかまりのない、澄み切った心境)
~ 次の二つの言葉が出典です。
【鏡明らかなれば則ち塵垢止まらず、止まれば則ち明らかならざるなり】
(きらきら光って曇りのない鏡は、埃を寄せ付けない。埃が付けば曇ってしまう)
【人は流水に鑑みるなくして、止水に鑑みる】
(誰でも流水に姿を映してみようとはしない。姿を映して見るのは止水(静止して
いる水)である)
この二つの言葉から【明鏡止水】という四字熟語が生まれました。
【無心】とか【虚心】の意味を表しています。
人間、誰しも永い人生の中で、何度か重要な決断を下さなければならない時があります。そんな時、あらゆる雑念を捨てて無心の境地になること、
いわゆる【明鏡止水】の心境になることが大切だと言っています。
しかし、そのような心境になることは、そう簡単ではありません。
やはり、日頃から自らを鍛え、心掛けていかなければならないことでは
ないでしょうか。歳と共に【無心の境地】なるものが、少し分かるような
気が致してきました。しかし、何事も【謙虚】、【素直】、【下学】、【倹約】、
【止足】などの実行が、【明鏡止水】の滋養の本かもしれませんね。~