伝習会 第1回
伝習会
〈 第 一 回 〉
【吾、日に吾身を三省す】……論語(学而第一)
(訳…私は、日にたびたび反省して自らを戒め、向上するように努力している)
~【三省】とは次の三つの事柄をいいます。
1.【人の為に謀りて忠ならざるか】
(人から相談された時、真心を持って誠実に対応したか)
2.【朋友と交わりて信ならざるか】
(友人と交際中に、信義を欠くようなウソ偽りはなかったか)
3.【習わざるを伝えしか】
(一寸勉強して、知ったか振りをして人に教えなかったか)
この【習わざるを伝えしか】こそ、まさに私への忠告の言葉のようです。
私は、この【吾、日に吾身を三省す】という言葉は、社会人にとって、
とても大切な箴言故事だと思っております。
いくつになっても、【反省の心】と、【素直な気持ち】を持ち続けたいも
のです。これこそ人格向上の根源である、と言っても決して過言ではあり
ません。誰しも、自分は【良い習慣】をしていると思っていても、知らず
知らずのうちに、【悪い習慣】になっていないとも限りません。
そこに人が注意してくれた時、いかに【反省】と【素直】の気持ちで受け入れられるかです。【悪い習慣】になっているということは、“素”が曲がっているということで、その“素”を真っ“直”ぐに戻す事が、【素直】ということです。即ち、生まれたときの心に戻ることです。
習慣には【良い習慣】と【悪い習慣】がある。【良い習慣】は天子であり、【悪い習慣】は化け物である、とシェックスピアが説いてます。
さて、当会の「伝習会」の名称も、中国の聖人の教えを習い伝えていこう、という趣旨で、この【習わざるを伝えしか】から名付けました。
また、【三省堂】(さんせいどう)の名称もここが出典です。~