伝習会 前文
【伝習会】設立にあたって
論語憲問第十四に【成人】という言葉には、二つの意味があります。
一つは、二十歳になった人をいいます。これは、特別に努力をしなくても、ただ飯を食っていれば
自ずと皆【成人】になります。
もう一つの【成人】は、「人と成る」と読み、この「人と成る」・【成人】は、自ら向上し立派な魅力あ
る人格高潔な人物になるということです。
只、飯を食っているだけでなれるものではなく、やはり特別な努力が必要です。それは中国古典
です。
「人と成る」・【成人】となる資格を身に付ける為の不思議な力を持っている最良の教師です。
【人と成る】・【成人】に成るために、二つの学問をしなければならないと言われています。
一つは、社会人として色々な知識、技術を修得するための学問、【時務学】です。私は実社会の学問、【実学】として捉えています。そしてもう一つの学問は【人間学】です。中国古典はこの
【人間学】を学ぶに最も相応しい本と思います。
先ず、四字熟語や故事名言のような片言隻句(短な言葉)から、始められたら宜しいかと思います。
どうか社員の皆さん、自らを高める為にもこの【伝習会】の一読をお薦め致します。論語の【習わざるを伝えしか】(生半可な知識で、知ったかぶって人に教えていないか)から反省を込めながら、【伝習会】という名称を付けました。社員の皆さんに少しでもお役に立てればと思いお届けします。
トウヨウ(株)取締役会長 田中哲雄