伝習会 第11回
伝習会
〈 第 十 一 回 〉
【 先 憂 後 楽 】…范仲淹の岳陽楼の記
(訳…憂いや心配事は人の先に心配し、楽しみは、人が楽しんだ後から楽しむこと)
~ 元文は、『天下の憂いに先んじて憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ』
とあります。ここから標記の「四字熟語」となりました。
これは、政治家への心構え、戒めの言葉として知られています。
為政者は、世の安危、心配事、憂いなどを国民に先立って処理し、楽しみ
は、世の人の楽しみを見届けてから、後で楽しみなさいということでしょ
う。最近の政治家は、この戒めの言葉を忘れているように思われます。国
を守り、国民の先頭に立って憂える【先憂】を忘れ、国民とは程遠い金銭
感覚、お金のばらまき政策、自ら先頭になって楽しむ感覚は【後楽】を忘
れているようです。まさに国の崩壊の兆しが現れているようです。
これは、なにも政治家だけに限らず、人の上に立つ者は、等しく心掛け
なくてはならない大切な事だと思います。
岳陽楼は、洞庭湖のほとりに建てられた楼閣です。中国を代表する名
楼の一つに数えられ、現在でも観光客で賑わっており、【岳陽楼の記】も
掲げられているそうです。
岡山県と東京都にある【後楽園】の名称は、この故事から名付けられた
ものです。~