伝習会 第13回
伝習会
〈 第 十 三 回 〉
【 行 不 由 径 】(行くに径に由ら不)…論語(雍也第六)
(訳…径・近道をせず、遠回りと思っても大道を一歩一歩着実に歩め、の意。
諺として「公明正大なこと」に喩えられる)
~ 【孔子】と【子游】の会話の中にある言葉です。
【子游、武城の宰となる】(子游がある県の長官になった)。【子曰く、女、人を得たるか】と。(孔子は子游に向かって、お前は良き人材を得たか)。「曰く、澹台滅明なる者あり、行くに径に由ら不」(子游は、澹台滅明という者がおります。彼は常に大道を歩み、決して人の踏むべき道を外れません)【公事に非ざれば、未だ嘗って偃の室に至らざる也】(公用でなければ私の自宅に訪ねてきません)
この会話が出典です。人間は、得てして姑息な手段を取ったり、近道をしたり、はたまた小利に目が眩んだり等、心が揺らぎ勝ちになります。
しかし、私達は常に正々堂々と大道を歩むことが、肝心なのではないで
しょうか。大道を歩むことは、遠回りに見えても一番の近道です。
漢学博士・諸橋轍次氏の出生地、三条市(旧下田村)にある、
『諸橋轍次記念館』の正面玄関の壁面に、この四文字が掲げられています。
壁面に向かって、“行くに径に由ら不”か、なんて口ずさんでみるのも
また、説ばしいじゃあ、ありませんか。
皆さんも是非一度ご覧になられたら如何でしょうか。~