伝習会 第25回
伝習会
〈 第二十五回 〉
【一国は一人を以って興り、一人を以って亡ぶ】 (管仲論)
(訳…国は、一人の優れた人物が現れることによって興隆し、一人の優れた人物を失うことによって衰亡する)
~ 本来は上記のように訳されておりますが、私は次のように解釈しており、
また、自らを戒める言葉とも思っています。それは、国にしてもしかり、
企業にしてもしかり、それぞれリーダーの器次第で興隆もし、また衰退、
滅亡もする戒めの言葉だと思っております。
高邁なる人格や品格ある人がリーダーとなれば、国家や企業にとって、
相応しい人となるでしょうし、又リーダーたる資格のない人が上に立てば、
これ程、不幸なことはないでしょう。このような例は、【殷鑑遠からず、
夏后の世にあり】…詩経(殷の最後の天子・紂王が手本とする鏡は、何も遠い過去にあるのではなく、わが殷の前にあった夏王朝の桀王時代にあるではありませんか、と西伯昌が桀王を諌めた故事)で枚挙にいとまがありません。
政の最大の目的は、【経世済民】(世を治め民を救う。【経済】という
言葉はここが出典です)であります。【政を為すは徳を以ってす】(論語)また、【徳は事業の基なり】(菜根譚)と言う言葉もあります。
何事も【徳】が基本でありますから、政治にたずさわる人、またリーダ
ーたる人は、如何に【徳】を積むことが大切かを言っております。~