伝習会 第35回
伝習会
〈 第三十五回 〉
【燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや】……史記
(訳… ツバメやスズメのような小さな鳥に、どうして、オオトリやコウノトリのような大きな鳥の志が分かろうか。転じて、小人物には大人物の気持や考え方は分からないの意)
~ 中国は、BC・221年に秦の【始皇帝】が始めて全国を統一しました。しかし、秦は人民に過酷な政治を強いた為、怨嗟の声が、ほうぼうから上がりました。ある日、貧しい農民の【陳勝】という男が農耕の手を休め、天を仰ぎながら、「ああ、苦しい時の仲間というものは、いいものだなあ、若し、わしが金持ちになったとしても、お互いに忘れないようにしようぜ」と言って、ため息をつきました。
そばにいた雇い主が、それを聞いて「ぷっ」と吹き出して、「日雇いの お前が、金持ちになるなんて笑わせないでくれ」と言った時、『陳勝』が 【燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや】と口にした言葉です。
さて、この『陳勝』は後に、一時【陳王】と名乗り、【王候将相寧 ぞ種あらんや】(史記)(王様や諸侯、将軍、宰相は生まれながらに決まっている訳ではない。誰でもなれるのだ)と言う名言を吐いて、【秦】打倒に立ち上がった最初の人となったのです。総理大臣や知事、市長、社長になろうと思えば誰でもなれると、ようは志の持ちよう一つだといっています。
【陳勝】は、志半ばで亡くなったが、ここから燎原の火となり、【項羽】と【劉邦】のいわゆる【楚漢の戦い】となり、【劉邦】が再び中国を統一し漢帝国を築いたことは、ご承知の通りです。
一介の農民で、このような名言を吐いた、その決断力と行動力は高く評 価したいものです。(ここからは平成22年9月から追加です)鳩山総理や管総理、仙谷、小沢に陳勝のツメの垢でも舐めさせたいですね。~